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遠い日の話

 彼は、覚えていた。
 父と母、姉、そして祖父。家族が皆、そのことを受け入れてくれたから、それが当たり前だと思っていた。
 けれど。それは決して、当たり前のことではなかったのだ。
 ――いいかい、晴明[はるあき]。
 幼い彼に、穏やかな祖父の声が教えてくれた。
 ――お前のように、記憶を持っている人は珍しいんだよ。
 ――……みんな、おぼえていないの?
 ――そうだ。だから。
 そうして、覚えていることを簡単に人に言ってはいけないよ。
 それが、お前を守ることになる。
 彼の頭を撫でながら、ゆっくりと紡がれた言葉たちはひとつひとつ、彼の心に落ちていく。
 その言霊は、優しく、そして心配に満ちていて。
 幼いながらにそれらを感じた彼は、うん、と素直に頷いたのだ。

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